映画『FALL/フォール』感想・レビュー 地上600mの極限サバイバル【前半ネタバレなし】

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こんにちは、焼肉好き技術士です。

今回は、2022年に公開された映画『FALL/フォール』についての感想をお伝えします。

地上600メートルという極限の高さで展開される、スリリングなサバイバルスリラー。
この映画は、高所恐怖症でなくても足がすくむような映像美と、精神的にも追い込まれる展開で観る者を圧倒します。

本記事では、前半をネタバレなしで映画の魅力と感想を紹介し、後半では物語の核心に迫るネタバレありの考察をお届けします。
未鑑賞の方も、前半までは安心してお読みいただけます。


映画『FALL/フォール』基本情報

  • 原題:Fall
  • 公開年:2022年
  • 監督:スコット・マン
  • ジャンル:サバイバル・スリラー
  • 上映時間:107分
  • 出演:グレイス・キャロライン・カリー、ヴァージニア・ガードナー、              ジェフリー・ディーン・モーガン他

【ネタバレなし】ここがすごい!『FALL/フォール』3つの魅力

1. 映像だけで震える…600mのリアルな恐怖!

本作最大の特徴は、圧倒的な高さの描写です。
CGではなく、本物の高所セットを使用して撮影された映像は、画面越しでも手に汗握る臨場感を感じられます。
「映画でここまで高所の恐怖を体感できるのか」と驚かされます。

ドローン視点のカメラワークも素晴らしく、塔の高さと孤独感を巧みに表現されています。
無音と風の音だけが響く中、主人公たちの足場が揺れるたびに、心拍数が上がるような感覚を覚えます。

2. 登場人物はほぼ2人。それでも飽きない構成力

出演者はほぼ2人のみ。それでも全く退屈しません。
舞台も「塔のてっぺん」だけという極めて限定された環境にも関わらず、脚本の巧妙さが光ります。

限られた空間だからこそ、次は何が起きるのか?といった緊張感が持続し、最後まで目が離せません。

3. 恐怖だけじゃない。人間ドラマの深さも秀逸

本作は単なる「サバイバル映画」ではありません。
生き残るための決断の中で、友情、秘密、後悔など人間の心の葛藤が丁寧に描かれています。

「自分だったらどうするか?」と観ている人にも問いかけるような構成になっており、鑑賞後にも余韻が残ります。


【ここからネタバレあり】核心に迫る!考察と衝撃の真実

ここから先は映画の重要なネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。


あらすじ(ネタバレあり)

ベッキーとハンターは親友であり、かつて共に登山を楽しむ仲だった。
ベッキーの夫ダンは登山事故で命を落とし、彼女は塞ぎ込んでいましたが、ハンターはベッキーを元気づけるため、地上600mの廃塔「B67」に登ろうと提案します。

2人は登頂に成功するも、梯子が崩落し、頂上に取り残されてしまいます。

食料・水・通信手段のない困難な極限状態で、2人は決断を迫られていきます。


衝撃の展開:ハンターの“死”とサバイバルの嘘

この映画で最も驚かされるのが、ハンターの死と、それを視覚的に“隠していた”演出です。

実は、ハンターは途中で転落しており、ベッキーが会話していたのはハンターの幻覚です。
極限状態で精神的に追い詰められた彼女が、現実を直視できなかったという設定です。

この仕掛けが明かされる瞬間、「えっ!?」と声を出すレベルの衝撃を受けました。


サバイバルのリアリティ:創意工夫の数々

ベッキーは、墜落したドローンにメッセージをくくりつけて地上に届けようとしたり、鉄塔の支柱から伸びたライトの配線を利用したりと、あらゆる手段で助けを求めます。

特に、自らの体に隠していた携帯を取り出すための“衝撃の方法”は、極限状態の恐怖と覚悟を痛烈に表現しています。

映画『FALL/フォール』のクライマックスにおいて、ベッキーが自分の体の中から携帯電話を取り出すシーンは、観客に強烈な衝撃を与えた場面の一つです。

以下、その詳細をネタバレありでご説明します。


📱 ベッキーが携帯電話を取り出す方法(ネタバレ)

塔の頂上で孤立状態が続く中、ベッキーは通信手段がない状況に追い込まれます。
そこで彼女は、すでに亡くなっているハンターの遺体を利用する決断をします。

具体的な方法は…

恐怖と悲しみの中、ハンターの遺体に手を入れて、ブラジャーから携帯を取り出します。

ハンターが身につけていた携帯電話が体の中(ブラジャーの中)にあると気づいたベッキー。

しかし、ハンターの遺体は塔の構造物の少し下に引っかかっており、手が届かない。

ベッキーはリスクを承知で、自らの命綱を使ってハンターの遺体の元へ降下します。

ベッキーは、ハンターの携帯を使用して自分の父親あてに助けを求めるメールを送り、その携帯をハンターの履いているスニーカーに入れた後、ハンターのお腹に入れて遺体を地上に落とします。

その後、ベッキーは無事に救出されます。


まとめ|FALLは「観て体感する」映画

『FALL/フォール』は、単なるスリラーではなく、「恐怖を体験する」映画です。
物語構成の巧みさ、視覚表現のリアルさ、そして人間ドラマの深さ。
どれをとっても一級品であり、上映後にはしばらく高所が怖くなるレベルです。

年齢制限のない映画ですが、私としては、小学生以下の方が観られる際には、大人の方が一緒に観られた方がいいのでは、と思いました。

登場人物の心理描写や構成の妙も光り、映画ファンにとっても見逃せない一本です。

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